日大文理学部出身。神奈川県立高校の体育科教員を経て、県立平沼高校校長や全国高等学校体育連盟会長を歴任。2022年度より本校の校長に着任。
お子さまが通信制アドバンスクラス 2年に在籍。
息子は中学受験をしたのですが、1年生の夏休み前には学校に行けなくなりました。何が辛かったかというと、遊びたい盛りに受験させて、そういった状況になったことです。全て私のせいだと責める気持ちで、本当に暗かったと思います。息子は比較的冷静なようでしたが、思い悩む私を見て罪悪感を持っていたようで。負のスパイラルだったように思います。恥ずかしながら、その時は通信制高校の存在を知りませんでした。人づてに聞いたことがきっかけで、いくつか学校を周ったのですが、ビルの一室のようないわゆるサテライト校舎の学校が多かったですね。遠方での集中スクーリングもありましたが、当時、息子は外にも出るのが難しい状況もあり、現実的でないというか、どうしてもそこに通っている息子がイメージできませんでした。
はじめは皆さんそうですよね。うちの下の娘も通信制に通っていたんですよ。中学でいじめにあったことがきっかけで、高校は昼間定時制に通いました。担任の後押しもあっていろいろなことがうまく進み、通信制ですごく気持ちよく三年間を過ごして、短大卒業後、今は介護の仕事をしています。その時代から、通信制は駅ごとにある塾みたいなものだというイメージがあるかもしれません。ところが今は少し変わってきましたよね。神奈川の話ですが、県立の通信制高校で、一時は1,200人ぐらい入ったという事例もあります。
5校ほど資料を取り寄せているうちに、日本大学の付属校で通信制高校があると聞いて、まず私一人で見に来ました。実際に来たら、すごく驚いて。少し失礼かもしれませんが、「普通の高校だ」と思ったんです。
それが本校の強みなんです!
説明会にも参加して、先生方も素晴らしいと感じました。ここだったらと思い、息子にもいい学校があったと伝えたのですが、どうも息子は足がなかなか向かなかったんです。その間に一校すでに合格いただいていた高校もありました。私も「本当にここでいいのか」という思いがありましたが「辞めてもいいから、一回行こうよ」と、息子を説明会に連れて行きました。そうしたら、もう息子の顔がすっかり変わって「ここがいい!」と、その日に言ったんです。説明会では在校生がお話をしていて、それもすごい感動でした。「1年後にこんなふうになれるの?!」と。先生の説明ももちろん、生徒が説明会でお話ししてくれたことで自分の将来像が見えたのかなと思います。
実際に来校いただいてご理解いただけたと思いますが、とにかく本校の大きなポイントは、この校舎に通うということです。授業レベルも高く、大学進学も目指せますし、高校に通っているという実感が持てます。アドバンスクラスは制服を着て通学しますし、修学旅行や体育祭、文化祭だってある。通信制に通うことに引け目を感じる人もいますが、ここでは全日制と同じ校舎で学びます。通信制も全日制も同じ高校生です。
説明会にも参加していろいろ考えた結果、息子は合格していた高校は辞退しました。そこから過去問に取り組み、息子が「実際に授業を見てみたい」と言ったんです。学校見学に行ってみると、休み時間の生徒さんもすごく明るくて、皆さん「こんにちは」と挨拶してくれるんですよね。アドバンスクラスとスタンダードクラス両方の授業を見て、息子は「ここに決めた」という感じでした。息子とは3回、学校見学に行きましたが、先生方や生徒の様子を見て、私も息子も訪問するたびに目黒日大が好きになりました。
本人は通信制高校に抵抗はなかったのですか?
最初は抵抗があるようでした。やはり中学受験もしたし、勉強も頑張っていたので。中3の春くらいまでは、通信制高校という言葉自体、口に出してほしくないようでしたから。でもお家にいる時間が長い生活でも、成長するんですよね。今の体力などを考えた時に「週に2~3回の通学がベストではないか」と言って、通信制という選択肢を現実的に受け入れるようになりました。
実際に学校と生徒の様子を見られたことも大きかったんですね。
それは本当に大きかったと思います。
入学して初登校の日は、クラスメイトと自然と交流できるような時間を、先生がご用意くださったんですよね。 その後にクラスメイトといろいろ話したようで、帰ってきて「ああ、もう三年ぶりに楽しかった!」と言っていました。最高の一日だったようですね。それを聞いて本当によかったと思いました。学校生活が落ち着いてからも、学校であったことや友達のことを話してくれます。全日制に転籍したり、スタンダードクラスに編入したり、短期留学に行ったりと、いろいろな選択をする友達がいると言っていました。その様子から、おそらくクラスのみんなが自分以外を肯定的に受け入れるという風土があるのかなと感じて、とても幸せな気持ちになりました。自分のペースでいろいろな道を選んでいて、すごく素敵だなと思います。そうは言っても、思春期特有の悩みもあると思います。そんな時息子がよく言うのが「こんな悩みが持てるのも、今高校生やってるからだよね」ということです。そんなふうに悩みさえもポジティブに転換できるようになったんだなと嬉しく思いました。本当に、学校とお友達に感謝です。
石倉くんはフットサル部の部長や生徒会にも挑戦しているんですよね。
もともとそんなに積極的に前に出るタイプではなかったと思います。ですが先生方が、少し頑張ったら達成できる目標に向けて穏やかに背中を押してくださる。だから、さまざまなことに前向きに挑戦できるのだと感じています。
英検を受けた時も、親身になって学習のコツなどを指導していただき、おかげさまで合格しました。同じクラスの友達で英検2級を取得した子もいて、そのような環境もとても励みになっていると思います。日大チャレンジや基礎学力到達度テストなど、全日制と同じように受けるテストも、順位が出ることで、かなり励みになっているようです。自分の立ち位置が分かりますし、得意な科目は結果が出ることでより自信につながっています。
全日制と通信制が同じテストで学力を測るのも本校の特長で、他ではできないことですからね。
進学については、推薦指定校の大学教員のお話を聞く機会や、日大のオープンキャンパスなどが折々でありますよね。オンラインの掲示板でもいいタイミングで合同説明会などのお知らせがアップされているので、大学進学が近い将来のことだ、という心構えになっていると思います。学校に何度も足を運ぶうちに進学先一覧を見たのですが、初めは全日制のものかと思って見ていたんです。ところが 通信制の実績だと知って驚きました。学力の面を心配していましたが、この間の基礎学力到達度テストでは、通信制の生徒も何名か上位に入っていましたよね。もう学力の心配はいらないと感じました。やはり担任の先生がいて、先生との距離が近いのがいいのだと思います。中学の時は考えられなかったんですが、提出物や部活のことでも、質問があれば自分から先生に電話をするようになって、それにもびっくりしました。やはり入学当初から、学校の受け入れ態勢があり、受け止めていただけるという信頼と安心感がすごいんだなと思います。